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【iDeCo】いつ、どうやって受け取るかが難しい(特に会社員だった場合)

確定拠出年金(iDeCo、企業型)は60歳から70歳までの間であれば、原則として、好きな時に年金の受給開始をすることができます。また、この期間であれば一括払い(一時金)で受け取ることも可能です。

有利に受け取るためには、いつ受給を開始したほうがいいのでしょうか。また、一時金と年金ではどちらがいいのでしょうか。

ちょっと検討してみましょう。

iDeCoはいつ、どうやって受け取るのがいい?

確定拠出年金では、年金で受け取るのか一括で受け取る(一時払い)のかを選ぶことができます。また、60歳から70歳の間で、いつから受け取るかを選ぶことができます。

これは、iDeCo だけでなく、確定拠出年金(企業型)でも同様です。

実は、「いつ受け取るか」「年金と一時金のどちらで受け取るか」というのは、意外と大事なことなのです。数十万円以上の差が出ることもあります。

何でこんな差がでるのか、どうすればいいのか考えてみましょう。まあ、全部説明するのは無理なので、基本的な考え方だけでも紹介できればと思います。

大きく増やすためには少しでも遅く

まず、運用という点から考えてみましょう。運用して増やすという視点で考えると、一般的には、少しでも受け取りを遅くするのが有利です。

資産運用というのは、基本的には、時間を掛けて少しずつ増やしていくものですよね。つまり、時間が経つと資産が増えるのです。

もちろん、単年でみると、運用がうまくいかずに資産が減ることもあります。ただ、確率的には、時間が経てば増える場合のほうが多いわけです。

受給を遅らせるとどのくらい増える?

しかも、資産が大きく増えた60歳以降なら、1年遅くするだけもかなり増やすことができます。試しに、一つ例を挙げてみましょう。

例えば、AさんのiDeCo の資産は、60歳時点で2,000万円あるとしましょう。今、一括で受け取ると、当然ですが、2,000万円の収入です。

しかし、仮に年3%で運用できるとすると、61歳の段階には2,060万円まで増えます。62歳では、2,122万円となります。70歳まで粘れば、2,688万円まで増えます。

年3%というのは、それほど難しい数字ではありません。10年遅らせるだけで700万円近く違うとなれば、選ばない理由はないですよね。

必要なら早く受け取るという選択も

もちろん、もっと早いタイミングでお金が必要なら、こんなに待つ必要はありません。必要な時に受け取ればいいでしょう。

例えば、60歳に定年退職しても、公的年金を貰えるのは65歳からです。その間の生活資金の足しにするために、確定拠出年金を早めに受給するという選択はありうるでしょう。

でも、状況的に許されるなら、少しでも待つほうがいいということですね。

年金を選ぶか一時金を選ぶかで控除の仕組みが違う

次に、年金を選ぶか一時金を選ぶかですが、この違いも損得に影響します。なぜかというと、税制上の扱いが違うからです。

確定拠出年金の年金も一時金も、所得税の課税があります。そして、年金を選ぶか一時金を選ぶかで、所得の計算の仕方がぜんぜん違うのです。

所得の計算が違うとなれば、住民税にも影響します。人によっては、所得税と住民税の2つで大きな差になることも有るわけです。

年金として受け取る場合

年金として受け取る場合、iDeCo による年金は公的年金と雑所得とみなさます。また、公的年金等控除という控除が使えます。

公的年金などと同じカテゴリーの所得とみなされますから、老齢基礎年金や老齢厚生年金などと合わせた金額で計算されます。例えば、公的年金の給付が年間100万円あって、iDeCo の年金が年間100万円だとすると、雑所得で計算する収入は200万円になるということですね。

公的年金等控除を使った場合、65歳未満の分に関しては、この収入が年間70万円を超えるかどうかが一つの目安です。70万円を超える場合は、雑所得が有るとみなされます。

65歳以上の場合は、120万円が目安です。120万円を超える場合は、雑所得があるとみなされます。

また、65歳以下なら70万円を、65歳以上なら120万円を超える場合、雑所得は次のように求められます。

公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)

ただし、
a:公的年金等の収入金額の合計額
b:a に応じて決まっている割合
c:a に応じて決まっている控除額

b、c の値は、a と年齢に応じて、それぞれ次のように決まっています。1

65歳未満

  • a:700,001円~1,299,999円/b:100%/c:700,000円
  • 1,300,000円~4,099,999円/b:75%/c:375,000円

    4,100,000円~7,699,999円/b:85%/c:785,000円

    7,700,000円以上/b:95%/c:1,555,000円

65歳以上

  • 1,200,001円から3,299,999円まで/b:100%/c:1,200,000円
  • 3,300,000円から4,099,999円まで/b:75%/c:375,000円
  • 4,100,000円から7,699,999円まで/b:85%/c:785,000円
  • 7,700,000円以上/b:95%/c:1,555,000円

例えば70歳で公的年金とiDeCo の年金を合わせた額が350万円ある場合、a、b、c は次のようになります。

a:350万円
b:75%
c:37万5000円

これをもとに雑所得を計算すると、225万円となります。

350万円 × 75% - 37.5万円 = 225万円

この所得などをもとに所得税や住民税が決まるわけです。

一時金として受け取る場合

年金ではなく一括で受け取る(一時金と言います)場合は、退職所得控除という控除があります。名前からわかるように、退職金に対する控除です。

退職所得控除の控除額は、次のように計算できます。

  • 勤続年数が20年以下:40万円 × 勤続年数
    (80万円に満たない場合には、80万円)
  • 勤続年数が20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)

ちなみに、iDeCo の場合は、勤続年数は企業型と個人型を合算した期間です。ということは、例えば30年間拠出している場合は、控除額は1,500万円となります。

しかも、退職所得の場合は、収入から退職所得を引いた額の半分になるという仕組みがあります。つまり、次のように計算します。

退職所得の金額
=(収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2

例えば、iDeCo の一時金の額が3,000万円で、30年間拠出した場合を考えてみましょう。この場合は、上で見たように、1,500万円の控除があります。

ということは、退職所得の額は750万円 (= (3,000万 – 1,500万円) × 1/2)となります。

ただ、会社の退職金などを貰う場合は、勤続年数が短くなることもあります。ということは、控除が小さくなるということですね。これに関しては後述します。

会社で無い場合は一時払いが有利なことが多い

年金を貰う前の15年間は会社員でない場合は、年金として受け取るよりも一時払いの方が有利なケースが多いでしょう。控除額が大きい上に、所得を求める際に2分の1にすることができるからです。

例えば、月々2万円の拠出の場合、1年の拠出額は24万円です。これだと、30年間拠出しても720万円です。ということは、2倍に増やせても控除額の1,500万円に達しません。

ということで、拠出額がそれほど大きくない場合は、税金がかからないで済むわけです。

ということは、70歳まで待って、一時金で受け取るという選択をするのが一番お得というケースが多そうですね。

会社員だった場合は工夫が必要

難しいのが、比較的高い年齢まで会社員だった場合です。

まず、会社員の退職金が年金の受け取りと同じ年だった場合、退職金とiDeCo の一時金を合算して計算することになります。

そうすると、所得が大きくなるので、税額も大きくなるわけです。

こういう場合、受け取る年をずらせば、同じ年に受け取るより税額を減らすことが可能です。しかも、退職所得を受け取った年からiDeCo の年金を受給するまでの期間が長ければ長いほうが有利なことが多いです。

なぜ期間を開けたほうが有利かと言うと、会社員だった期間とiDeCo の保険料を払っていた期間が重複している場合、重複している期間の控除に関しては退職金を貰う時に使ったと判断されるからです。

これがあるので、少しでも空いたほうが有利ということになります。また、15年たつとリセットされるので、iDeCo の保険料を払った期間がリセットされます。

この話を追求していくと、更に細かいルールがいろいろとあります。例えば運用指図者だった期間は勤続年数に入らなかったり、先にiDeCo をもらって退職金をあとにした場合はどうなるかも議論が必要だったりします。

率直に言って、この件について、ここでこれ以上詳しく説明するのは不可能です。ただ、2つの点だけは覚えておくといいでしょう。

  • 可能なら退職金をもらってから15年以上建ってからiDeCo を一時金で受け取ると有利
  • 15年以上開けられない場合は、退職金を貰う年の翌年以降に受け取ったほうが有利(退職金とiDeCo の一時金を同じ年に貰うのはダメ)

  1. 公的年金等に係る雑所得の速算表(平成17年分以後) []

iDeCoでは金融機関選びが大事

iDeCo をはじめるには、運営管理機関を選ぶ必要があります。運営管理機関というのは、窓口となる金融機関の事ですね。

この運営管理機関選びが、実は、かなり大事です。というのも、金融機関によって月々の手数料がだいぶ違いますし、取り扱っている投資信託の種類も違うからです。

個人的にお勧めなのは、SBI証券です。SBI証券は月々の手数料が167円と最低ですし、運用に使える投資信託もかなり多いのです。

iDeCo に興味があれば、資料請求だけでも取り寄せてみたらいかがでしょう。まとまった情報が得られますよ。

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