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公的年金の積立金とGPIFの基礎知識

日本の公的年金には、年金積立金というものがあります。この積立金に関しては、かなりの誤解があるようです。

このページでは、年金積立金に関しての基礎知識を確認していきましょう。また、年金積立金の運用に関するニュースでよく出てくるGPIF についても確認しておきましょう。

年金積立金とは

年金積立金というのは、私たちが払った保険料を積立てたものだと思っている人もいるでしょう。しかし、実は、その考え方は適切ではありません。

日本の公的年金制度は賦課方式といって、今年入ってきた保険料などの収入で、今年の年金の給付をするというシステムです。いわば、自転車操業ですね。ですから、お金を積み立てているわけではないのです。

それでは年金積立金というのは何かと言うと、今年の収入から給付などで出ていかなかった部分を積立てたものです。余ったお金を積み立てたのが年金積立金というわけですね。

年金積立金の額

年金積立金の額は164兆1245億円あります。2017年度末の段階ですね。1

164兆円と言われても、ちょっとピンと来ない数字ですよね。そこで、比較的近い数字を紹介しましょう。

GDPとの比較

日本のGDP は約500兆円と言われています。ということは、年金積立金はGDP の3分の1ほどあることになります。

日銀の異次元緩和との比較

アベノミクスで日銀が買っている日本国債は、年間80兆円が一つのめどになっています。ということは、年金積立金はその2倍ほどある計算です。

公的年金の収支との比較

公的年金全体の収支は、収入も支出も約50兆円です。ということは、3年間全く収入が無くても、年金積立金を取り崩すことで、年金の給付は出来る計算です。2

年金積立金のポートフォリオ

年金積立金の基本ポートフォリオは、以下のようになっています。

国内債券:35%
国内株式:25%
外国債券:25%
外国株式:15%

この手のポートフォリオとしては、比較的オーソドックスなものと言っていいでしょう。

ちなみに、国内債券の中には短期資産(現金など)を含められるようになりました。3 これは何故かと言うと、金融緩和などの為に日銀が国債を大量に買うので、調達が難しくなっているからです。

また、以前の年金積立金は、国内債券中心のポートフォリオでした。例えば、平成16年の財政再計算の結果見直されたポートフォリオは、以下のようなものでした。4

国内債券:67%
国内株式:11%
外国債券:8%
外国株式:9%
短期資産:5%

現在の基準だと短期資産は国内債券に入ります。ということは、国内債券だけで7割以上に達するというポートフォリだったわけです。

リスクが小さいポートフォリオですが、ほとんどリターンが期待できないと考えていいでしょう。また、インフレには非常に弱いポートフォリオですね。

この当時と比べると、かなりハイリスク・ハイリターンなポートフォリオになっています。というか、当時がローリスク過ぎたという感じでしょうか。

年金積立金の運用実績は

年金積立金の運用実績はどうなっているのでしょうか。

テレビや新聞のニュースでは、基本的に、年金積立金の運用に力を入れて報道する事はないように感じます。ただ、比較的大きな運用損が出ているときは別で、上手く行っていないときには年金が破綻するかのような大きな報道をします。

まあ、政治的な意図があるのでしょうね。メディアの多くは反自民で、特に安倍内閣は嫌いなところが多いようですから。

その努力(?)の成果でしょうか、ネットなどの反応をみていると、年金の運用は上手く行っていないという印象を持っている人が多いようです。

しかし実態は、全くそんな事はありません。実は、日本の公的年金の運用は、近年非常に上手く行っているのです。

具体的にどのくらい上手く行っているのか、年金積立金管理運用独立法人のサイトから収益率の推移を引用してみましょう。

13年度:-1.80%
14年度:-5.36%
15年度:8.40%
16年度:3.39%
17年度:9.88%
18年度:3.70%
19年度:-4.59%
20年度:-7.57%
21年度:7.91%
22年度:-0.25%
23年度:2.32%
24年度:10.23%
25年度:8.64%
26年度:12.27%
27年度:-3.81%
28年度:5.86%
29年度:6.90%

これを見るとわかるように、多くの年で収益率がプラスになっています。運用がうまく行った年は、2桁のプラスになることもあります。

テレビや新聞のニュースだけから情報を得ている人は、こんなふうな印象を持っていないでしょう。平成19年度とか20年度の、大きな運用損が出たときの印象しかないはずです。

GPIFって何だ?

公的年金の運用に関するニュースをみていると、GPIF と呼ばれる組織の名前が時々出てきます。このGPIF というのは、一体どんな組織なのでしょうか。

GPIF とうのは、すごく簡単に言うと、積立金の運用をする組織です。正式名称は年金積立金管理運用独立行政法人で、この名前からも年金積立金の管理と運用をしている事がわかりますね。

ちなみに、GPIF は英語表記のGovernment Pension Investment Fund の頭文字を取ったものです。

Government は一般に「政府」という意味ですよね。この他に、「管理」とか「管理」という意味があります。

Pension という単語は、あまり馴染みがないかもしれませんが、「年金」という意味です。そして、Investment は「投資」、Fund は「基金」という意味ですね。

「国の年金の運用基金」という感じなんでしょうかね。

ちなみに、このGPIF、運用資産残高では圧倒的な世界一なのだそうです。その意味でも、実は、かなり市場への影響が大きい機関投資家であるといえます。

年金積立金は減らしていく方向

ちなみに、年金積立金は、長期的には減らされていく方向です。

2040年にピークを迎え、その後は年金額の約1年分が残るように給付に回されていきます。ちなみに現在の160兆円台の残高は、年金額の約3年分にあたります。

こうすることで、少子高齢化に対応するというのが、長期的に減らしていく理由の一つです。積立金からの給付を増やすことで、変化に対応するわけですね。5

もう一つの理由が、上にも書きましたが、規模が大きすぎるので適正にしたいというのもあるのでしょう。


  1. 年金積立金、最高の164兆円 17年度
    日本経済新聞 2018/8/10 20:00 []
  2. 公的年金各制度の財政収支状況(平成26年度) []
  3. GPIF、国内債と現金の運用比率合算 債券の割合低下で
    ロイター 9/27(木) 12:06配信 []
  4. 年金積立金の基本ポートフォリオの見直しについて []
  5. 総額164兆円 公的年金の積立金って何?
    NIKKEI STYLE 9/23(日) 7:47配信 []

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