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年金の受給開始を遅らせることへの反発は根強い| 勘違いも多いようですけど

ネットのニュースサイトをみていると、年金に関する記事には強い批判の意見がよく見られます。

これらの批判が合理的なものなら、それはそれで一つの意見として尊重すべきでしょう。でも、完全な勘違いというケースもかなり多いようです。マスコミの断片的な報道を信じて、思い込んでしまっているという人が多いようですね。

確かに、マスコミにはこの手の報道が多いように思います。問題点をことさらに大きく伝え、必要以上の大問題であるかのような印象を与えるのです。

ああいう報道に対して、素直に信じてしまっている人は、意外と多いようですね。意外と大きな問題かもしれません。

年金の受給開始を遅らせるのが妥当か

ファイナンシャルフィールドというところが、「老後が不安…年金って結局どうなるの? 政府レポートから読み解く公的年金の将来」という記事を書いていました。この記事の見立てでは、最終的には、老齢年金の受給開始を遅らせるだろうという見通しをしています。

受給開始を遅らせると、年金受給者が受け取る年金額が大きくなります。そうする方が、現状維持よりも合理的だという話です。

まあ、こういう判断になるのは妥当でしょうね。65歳から年金をもらうより、働くのが難しくなった68歳とか70歳くらいから大きい額の年金を貰うほうが理にかなっっていますから。

ちなみに、この手の支給開始を遅らせるという議論は以前から度々話題になっています。このサイトでも、2013年に取り上げています。

当然ですが、反対の人が多いようです

ところが、この考え方には、反発も大きいようです。さらには、公的年金制度について、ひどい勘違いをしている人もいるようでした。

この反応が興味深かったので、ニュースサイトのこの記事のコメント欄にあった反応をご紹介しましょう。

ちなみに、本文は書き直しているので引用ではありません。そのままだと、読めたものでは無いので。

それでは、ネットの反応をいくつかご紹介していきます。その上で、補足と反論を簡単に書いていきます。

役人が一番悪い説?

  • 年金制度の破綻の責任は、社保庁が一番大きい

社会保険庁というのは、評判が悪かった年金の業務を行う官庁ですね。問題を起こしてお取り潰しになっています。

この方の言う通り、社会保険庁に問題があった官庁なのは間違いありません。その部分では、私も全面的に賛成です。

でも、社会保険庁の責任が一番大きいということは無いでしょう。というのも、将来の給付に問題がある理由は、世代間扶養という制度が少子高齢化の時代に合わなくなった事が原因だからです。

仮に社会保険庁が問題を起こしていなかったとしても、現在のような事態は起こっていました。役人の中から犯人を敢えて探すなら、少子高齢化を予想できずにこんな制度を作った人でしょう。

  • グリーンピアの事は忘れない。無駄なものを作った上に、二束三文で売り払った。最後は国民の負担になっている。

グリーンピアとうのは、年金福祉事業団というところが作った施設ですね。リゾート施設という言い方でいいのかな。また、年金福祉事業団は、公的年金の一部を使って加入者の福祉活動をする機関です。

作ってはみたものの、利用者がほとんどなく、しかも売ってもたいした値段がつかないようなものでした。確かにこれは問題です。

でも、やっぱり、今後の年金制度の問題とはあまり関係がありません。金額的にも、年金制度全体から見ると、微々たるものですし。

運用の失敗や無駄遣いが原因説

  • 少子高齢化だけが理由ではない。バブル期の不要な施設の建設、役人のタクシー利用などの不要な支出、年金の横領、運用の失敗などについても議論すべき。

別に議論をしてもいいのですが、結論は変わらないでしょうね。一つ一つみてみましょうか。

「バブル期の不要な施設の建設」というのは、上でも紹介したグリーンピアの問題ですね。大きな問題ですが、年金の全体から見ると、制度が影響を受けるようなものではありません。

「役人のタクシー利用などの不要な支出」というのは、グリーンピアが問題になった時に、役人のタクシー利用が多すぎると叩かれた話です。記憶が曖昧ですが、多分そのことを指していると思われます。

まあ、これも、全体からみると誤差みたいな話です。倫理の問題としては追求されるべきですが、制度設計の根幹に関わるような話ではありません。

「年金の横領」に関しては、何を指しているのかよくわかりませんでした。もしかしたら、厚生年金基金か何かと混同しているのかもしれまさせん。

「運用の失敗」というのは、完全な誤解です。公的年金の運用は、はっきり言って上手く行っています。

テレビや新聞のニュースでは、運用が上手くいかない時期だけ、ことさらに大きく取り上げる傾向があるようですね。それだけをみていると、公的年金の運用は大失敗だという印象を受けるのでしょう。

でも、言っちゃ悪いですが、単なる情弱の思い込みですよね。勉強しましょう。

最後は公的資金で救う?

  • 年金制度自体は破綻ません。なぜなら、破綻前に増税して資金注入するから。

もしかしたら、こんなふうに思っている人も多いのでしょうか。でも、残念ながら、これも誤りです。

まず、そもそも公的年金が破綻する事はありません。理由は簡単で、保険料が減ったら給付を減らせる仕組みだからです。

最初から、入ってきたぶんを配るというふうに出来ているのです。これをマクロ経済スライドと言います。

もう一つ間違っているのが、既に税金は入っているという点でしょうか。基礎年金の部分に関しては、給付の半分は国庫負担です。

積立方式のほうが良かったのでは

  • 世代間扶養という考え方が間違い。高度成長期から積立てておくべきだった。

ようするに、積立てにしておけばよかったという指摘ですね。生命保険会社の個人年金保険のような形にするわけです。

この指摘は、一見説得力があるように思えます。でも、大きな欠陥があるんですよね。というのも、積立て方式だと、運用が難しいのです。

日本の年金は、積立方式にすると、1,000兆円を超えるようなお金を運用しないといけません。でも、こんな巨額のファンドを運用するのなんて、事実上不可能でしょう。

例えば、アベノミクスの日銀の量的緩和でも、年間の国債購入は80兆円ほどです。日銀が80兆円を買うだけでも、金融機関が買う国債がないと問題になっています。

この上さらに公的年金の運用でGPIF が国債を買うことになったら、はっきり言って全然国債が足りないことになってしまいます。

いや、デフレの時期ならまだいいのです。インフレにするという名目で政府が借金を増やすことが出来ますから。

仮にインフレになって日銀が金融引き締めをしたくなったとします。でも、その時に公的年金が国債を買ったら、インフレの時期に金融緩和をしているようなものです。

ということで、積立方式にすると、経済への悪影響がかなり大きいわけです。国債だけでなく、株式などを買っても同様です。

はい?

  • もう10年もしないうちに、団塊世代が75歳以上になる。負担増や給付抑制を伴う生涯現役社会に向けた社会保障改革が必要。

団塊の世代が65歳でも75歳でも、支払う年金は同じです。64歳と65歳だと、かなりの差があるんですけどね。

ちょっと何を言っているのかわかりませんでした。

  • 今まで何のために保険料を納めてきたのか。働く場所もないのにどうすればいいのか。中小企業に余分な人材をかかえる体力はないから、今の仕事は辞めざるをえない。早期退職だって求められる時代なのに。

これも、なかなか驚いたコメントです。一つ一つみていきましょう。

> 今まで何のために保険料を納めてきたのか。

年金はもらえます。国民年金は、税金の補助があるから有利な仕組みです。厚生年金は会社の負担もあり、やっぱり有利なしくみ。

仕組みの問題で受給額が現在よりは減るでしょうが、そこまで悪く言うような話でも無いと思うのですが。

> 働く場所もないのにどうすればいいのか。

現在の有効求人倍率をご存じないのでしょうか。仕事がない韓国の若者が、職を求めて日本に来ている状況なのに。

> 中小企業に余分な人材をかかえる体力はないから、今の仕事は辞めざるをえない。

これも同じですね。辞めざるを得なくても、次の仕事が見つかる状況です。

> 早期退職だって求められる時代なのに。

早期退職を求めるって、どれだけ業績が悪いのでしょうかねえ。もう、わけがわかりません。

10年位前の話をしているのかなあ。現状認識がおかしすぎて、言葉を失います。

全部政治が悪い?

  • 役人や政治家の責任は?少子高齢化だって、ある意味、政治責任だ。

こういう、何でもかんでも政治が悪いという方向に持っていく人って、必ずいますよね。

確かに政治が悪くて上手く機能しない問題というのは、存在しているのでしょう。例えば、安倍内閣になって金融緩和を初めたら雇用が回復しました。これは、それまでの経済政策が誤っていたのが正されたからだと、見ることも出来ますよね。

でも、少子高齢化に関しては、誰か解決策を持っているのでしょうか。率直に言って、実効性がありそうな解決策については、聞いたことが無いんですよね。その証拠に、与党だけではなく野党からも、有効な少子化対策について聞いたことがありません。

国のシステムなどを変えれば少子化が解決するなら、それは政治の問題だと言っていいでしょう。でも、どう変えればいいのかわからない状態で政治のせいと言われても、ちょっと反応に困ってしまいます。

ちょっと政治に期待すぎなのでは無いでしょうか。

破綻するから繰り上げ受給を

  • 破綻する前に繰り上げ受給をしたもの勝ち。

繰り上げ受給というのは、年金を前倒しで受け取る事を言います。現在の制度だと、60歳から公的年金を受け取ることが可能です。

ただ、繰り上げ受給をすると、年金の額が減ることになります。ということは、長生きをした場合、受け取る年金の額が少なくなります。

この人は公的年金の破綻を前提としていますので、少しでも多くもらうために繰り上げ受給が良いと言っているのでしょう。本当に近々破綻するなら、いい方法だと思います。

でも、上にも書きましたが、年金制度が破綻するという事は考えづらいんですよね。数年で年金額が大幅に減るということも考えづらいでしょう。

そう考えると、この作戦は、あまりおすすめできそうにありません。健康に不安があって、長生きが難しいと考えるのなら、繰り上げ受給もいいとは思いますけど。

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