前のページ(転職すると確定拠出年金ってどうなるの?)では、確定拠出年金の企業型に入っていた人の転職について考えました。このページでは、企業型の確定拠出年金に入っていた人が、会社員をやめるケースについて考えてみましょう。
転職ではなく、新たに自営業を始めるか主婦になるか、パートタイムやアルバイトで働くようなケースを想定するわけです。こういうケースも、珍しくないですよね。
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確定拠出年金の企業型を抜けたらどうなる?
さて、この場合、基本的にはいづれも確定拠出年金の個人型(iDeCo)に入りなおすことになります。新たに掛け金を拠出しない人も含めて、ここまではみんな共通です。
さて、ここから色々なパターンに分かれていきます。まず、退職後も掛け金拠出する場合です。この場合は、国民年金の第1号被保険者になるか第3号被保険者になるかで対応が違います。
例えば、個人事業主になった場合は第1号被保険者となります。この場合は、最大で月々6万8000円まで拠出することが出来ます。
しかし、専業主婦になった場合は第3号被保険者となります。このケースでは、最大でも月々2万3000円までしか拠出できません。
厳密な事を書くと、専業主婦になっても、第1号被保険者になる事もあります。夫が自営業の場合などですね。この場合は、月々6万8000円を拠出できる場合もあります。
パートタイムやアルバイトで働く場合は、第1号被保険者になる可能性も、第3号被保険者になる可能性もあります。ということは、最大で6万8000円拠出できる場合も、2万3000円しか拠出できない場合もあります。
このように、会社を辞めた場合も、どれに当てはまるかは非常に面倒くさいのです。ご自身のケースがどれに当たるかは、確認してみてください。
これ以外の選択肢としては、運用指図者というチョイスがあります。運用指図者というのは、新たにお金を出さないで、運用の指図だけをするという事ですね。ただ、この場合も、確定拠出年金の個人型に入りなおして、運用ができるように手続きをする必要があります。
あと、かなり例外的ですが、確定拠出年金の脱退が認められることがあります。このときは、脱退一時金を受け取ります。
確定拠出年金の拠出を続けるか否かの判断が難しい
さて、今回紹介ているケースで難しいのが、確定拠出年金の拠出を続けるのかどうかです。率直に言って、運用指図者として運用の指図だけをする方が賢いのかもしれません。
というのも、このケースだと、確定拠出年金の一番の利点である、所得税の控除が活かせない可能性があるのです。所得税(あと、住民税も)の節税が出来ないわけですね。
そうすると、確定拠出年金ではなく「つみたてNISA」を使った方が得だという選択も出てくるでしょう。
節税が出来ないってどういうこと
所得税の節税が出来ないというのはどういうことかとでしょうか。簡単に説明しましょう。
所得税というのは、当然ですが、所得にかかる税金ですよね。ということは、収入が無い人や収入が小さい人は、所得税がかからないのです。所得が無いとみなされたら、所得税の課税があるわけがありません。
所得税がかからないとなると、これまた当然ですが、確定拠出年金を使って節税のしようがありません。もともと税金がゼロなのですから、節約のしようが無いのです。
例えば、個人事業主になった直後は、トータルで赤字になったりして、所得税がかからないことも多いわけです。そうすると、確定拠出年金の最大のメリットが活かせないわけですね。
専業主婦や、パートタイマーとして収入の調整をしている場合も同様です。確定拠出年金の最大のメリットは、やっぱり活かせません。
これだったら、仮にお金を貯めるにしても、「つみたてNISA」の方が優れているという話になるわけです。
その他のメリットもありますが
もちろん、控除による所得税減税以外にも、確定拠出年金のメリットはあります。例えば、受け取りの時にはらう税金が安くなる可能性は大きいでしょう。あるいは、運用中の売買に課税されないのもメリットです。
でも、やっぱり、一番大きいメリットを活かせないのは、大きな難点と言えそうです。一番大きいメリットが無いのに、中途解約できないという一番大きいデメリットは残るわけですからね。
というわけで、個人的には、「つみたてNISA」を優先して使うのが賢い選択だと思います。私だったら、そうします。
個人型の人が会社に入ったら
次のページでは、確定拠出年金の個人型の人が就職して会社員になった場合についてチェックしてみましょう。実はこの場合もかなり面倒なようです。
iDeCoでは金融機関選びが大事
iDeCo をはじめるには、運営管理機関を選ぶ必要があります。運営管理機関というのは、窓口となる金融機関の事ですね。
この運営管理機関選びが、実は、かなり大事です。というのも、金融機関によって月々の手数料がだいぶ違いますし、取り扱っている投資信託の種類も違うからです。
個人的にお勧めなのは、SBI証券です。SBI証券は月々の手数料が167円と最低ですし、運用に使える投資信託もかなり多いのです。
iDeCo に興味があれば、資料請求だけでも取り寄せてみたらいかがでしょう。まとまった情報が得られますよ。

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