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確定拠出年金(個人型)の顧客獲得競争って本当?| そんな熱心に勧誘しているとは思い辛いのですが

2017年1月から確定拠出年金(個人型)の利用可能者が増えます。それにあわせて、個人型を取り扱う金融各社が、顧客獲得競争をやっているという記事が毎日新聞に載っていました。

でも、それって本当なの?そんな感じはあまりしていないのですが。

獲得競争なんて本当にやっているの?

毎日新聞によると、2017年1月に確定拠出年金の利用者が拡大するにに合わせて、顧客の獲得競争が行われているのだそうです。具体的には、「<確定拠出年金>個人型解禁に注目 生保や証券が売り込み」という記事で紹介されています。1

その記事によると、「『市場規模は1兆円に達する』との期待もあり、各社は手数料が安い商品などを相次いで投入して顧客獲得を競っている。」のだとか。

でも、獲得競争って本当なのでしょうか?率直に言って、金融機関がそれほど力を入れるとは思えないんですけどね。

なにせ金融機関の多くは、今まで全く確定拠出年金(個人型)に力を入れていません。企業型にはそれなりに力を入れているのですけどね。

それが今になって、突然力を入れるようになるとは思えないのです。

どのくらい力を入れていないかは数字によく表れています。「今年3月末で個人型の加入者は約26万人と、企業型(約548万人)に比べ大幅に普及が遅れている」のだそうです。

現時点ですら3,000万人以上は利用可能なのに、実際の利用者はわずか26万人なのです。

はっきり言って確定拠出年金は、私たちにとってとても有利な仕組みです。それなのにこれだけ加入者が少ないのです。金融機関がいかに真面目に売っていないかわかるというものですよね。

今回の制度変更で、利用可能者が「約2700万人増の約6700万人」になるそうです。確かに大幅に増えるのですが、2倍まではいきません。ということは、せいぜい増えても50万人程度と考えるのが妥当なところでしょうか。

本当に金融機関が頑張っているのなら、もっと増える可能性もありますけどね。

金融機関にとっては儲からない商品

金融機関が確定拠出年金(個人型)を積極的に売り込まないのには、それなりに理由があります。はっきり言って、確定拠出年金(個人型)はあまり儲からないのです。

同じ積立商品なら、投資信託の積み立てでも売った方が儲かるでしょう。金利の問題で最近は売りづらくなっていますが、個人年金を売るという点もあります。最近流行っている商品だと、老後対策という名目で、ラップ口座を売っているところも多いですね。

そういう商品にお金をまわしてもらいたいので、確定拠出年金(個人型)を勧めるインセンティブがほとんどないわけです。確定拠出年金なんて契約されたら、金融機関にとってのドル箱の商品に回すお金が減ってしまいますから。

ウェブサイトを見る限り獲得競争が起こっているとは思えない

獲得競争があると毎日新聞が言っているので、一応、確定拠出年金(個人型)を取扱っている金融機関のサイトをいくつかチェックしてみました。率直に言って、確定拠出年金の口座の獲得合戦が起こっているとは思えない状況でした。

金融機関のサイトのトップページを見ても、確定拠出年金の情報があまり出ていないんですね。数社のサイトで、バナーがあったくらいです。

これで獲得競争と言われてもねえ。さすがに同意しかねます。

これはNISA と比べると一目瞭然です。NISA の時には、金融機関のサイトはNISA の情報一色という感じでしたからね。

さすがにNISA ほどの宣伝は期待できませんが、本気で売る気があればもう少し露出を増やすでしょう。

今回対象になる人にはメリットが小さい人も多い

今回の制度変更で加入者が増えないと思う理由がもう一つあります。今回新たに加入対象になる専業主婦(年収103万円以内の主婦なども含む)の場合は、節税のメリットがあまりないのです。

確定拠出年金の最大のメリットは、所得税や住民税の節税ができることです。でも専業主婦の場合は、そもそも所得税や住民税を払っていませんよね。ですから、この部分の節税効果は無いのです。

確定拠出年金には、これ以外の部分での節税効果もあるんですけどね。一番魅力的な部分が使えないとなると、魅力も半減です。

いや、半分以下か。基本的に解約できないというマイナスポイントも、確定拠出年金にはありますから。

野村総研は大丈夫か?

ちなみに野村総研によると、今回の改正で「941万人が加入を希望」という推計があるのだとか。

今まで26万人だったのです。941万人も加入を希望するって、いくら何でも酷い推計ですね。

野村総研が本気でこんなことを書くとは思えんなあ。情報が正しく引用されていない気もしないではありませんね。

前提条件を無視して、結果だけ載せているとかなのかなあ。新聞ならいかにもやりそうです。


  1. <確定拠出年金>個人型解禁に注目 生保や証券が売り込み
    毎日新聞 2016年10月25日 []

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