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厚生年金の強制適用事業所の基礎知識| いくつあるの?管理はどうなっている?

厚生年金にはるかどうかの判断は、まず、事業所単位に行われます。一定の条件を満たしている事業所に勤めていると、最初のハードルをクリアした形になるのです。その上で、年齢や労働時間などを勘案して、厚生年金に入れるかどうかが決まります。

ということは、事業所が手続きをしないと、従業員が厚生年金に入れないわけです。ところが、ちゃんと手続きをしていない事業所は、意外と少なくないようです。

ところで、事業所というのは、一体何なのでしょうか。会社とは違うのでしょうか。また、監督官庁である厚生労働省は、どんな対応をしているのでしょうか。

事業所ってなんだ?会社とは違うのか?

厚生年金という仕組みでは、事業所という概念が非常に重要です。契約するのは事業所単位ですし、実際の保険料の支払いも、事業所が行っています。

ちなみに、事業所というのは、厳密に言うと企業ではありません。例えばA会社という和菓子のメーカーには、事務所と工場と販売店が別々の場所にあったとします。そうすると、事務所、工場、販売店が、それぞれ事業所となるのです。

そして、この事業所ごとに年金の事務を行います。まあ、これらの事業所を取りまとめる方法もあるのですが、原則としては事業所単位です。

強制なのにユルユルな強制適用事業所

さて、従業員を1人以上雇う法人か、常時5人以上を雇う個人事業主の事業所は、原則として厚生年金に入らないといけないと決まっています。こういう事業所を強制適用事業所と言います。

ちなみに、健康保険にも同じ強制適用事業所という仕組みがあります。基準も同じです。

ただ、この強制適用事業所の実態は、かなりおそまつです。というのも、厚生労働省の調査によると、全国で79万もの事業所が厚生年金に入っていないのだそうです。かなりの数ですね。

つまり、強制と言いつつ、かなりユルユルなのが実態です。

強制適用事業所の取締を強化

ところで、強制適用事業所になると、具体的にどんな義務が生じるのでしょうか。

簡単に言うと、厚生年金の保険料の納付義務が生じます。従業員の給与から保険料を天引きした上で、事業所の負担分を上乗せし、保険料を納めないといけないのです。

この義務をはたしていないとなると、従業員は厚生年金に入れないことになります。そして厚生年金に入れないとなると、将来もらえる年金の額が小さくなるわけです。

これは大きな問題ですよね。人生設計にかかわる話です。

ですから、本来であれば、政府がしっかり見張っていないといけません。しかし、実態はというと、かなり杜撰だったわけです。

告発も含めて対応

そこで政府は、2016年に、取締の強化を始めたようです。義務を果たしていない事業所に対して、告発も視野に入れた対策をするようです。

基準を定めた上で、必要があれば告発すると言うところまでやるようです。1

告発するかどうかの基準を設けると言うのは、全ての事業所を取り締まってしまうと、経営上行き詰まるところも出てくるという配慮でしょう。厚生年金の適用事業所になれば、事業所の事務負担が増えます。また、金銭的な支出も増えますからね。

その結果事業が行き詰まったりしたら、従業員は職を失うことにもなりかねません。こうなると本末転倒ですよね。

また、お役人の数も限界があるので、酷いところから順番にというのもあるのでしょう。まあ、妥当ですね。

ということで、今回検討されているのは、当然と言えば当然の対策でしょうね。

今まで対策を採ってこなかったのは何故なのでしょうか?

率直に言うと、こういう対応を取るのが遅すぎるような気すらします。年金制度がおおよそ今のような形になったのは、昭和の話のはずですからね。なぜ今頃になってと言う感じがしないではありません。

まあ、やるだけマシではありますけど。

適用事業所っていくつくらいあるの?

ところで、厚生年金の適用事業所は、全国にいくつあるのでしょうか。あるいは、新規で加わる事業所は、年間いくつくらいあるのでしょうか。

分かりやすい資料があったので、ちょっと紹介したいと思います。「厚生労働省年金局」の「社会保険の適用促進対策について」という資料です。2

  • 年度:適用事業所数 / 新規適用事業所数
  • 平成22年度:1,748,578 / 67,300
  • 平成23年度:1,745,027 / 69,719
  • 平成24年度:1,758,192 / 74,677
  • 平成25年度:1,800,619 / 91,457
  • 平成26年度:1,867,185 / 113,430
  • 平成27年度:1,974,655 / 157,184
  • 平成28年度:2,085,039 / 154,926(1月末)

28年度(2016年度)中の数字ということで、28年度の数字は年度末の数字ではありません。つまり、新規適用事業所に関しては、これよりも増えると考えられます。

さて、この表を見ると、全国で200万ほどの提供事業所があることがわかります。意外と多いのですね。

個人的にそれよりも気になるのが、平成22年度と比べて、ここ数年は倍以上の新規適用事業所があることです。

ちなみに、「加入指導により適用となった事業所数」という数字も紹介されています。

  • 平成22年度:4,808
  • 平成23年度:6,685
  • 平成24年度:8,322
  • 平成25年度:19,099
  • 平成26年度:39,704
  • 平成27年度:92,550
  • 平成28年度:107,470(2月末)

ここ数年は非常に頑張っているという言い方もできるのでしょうけどね。それ以上に、以前はあまり真面目にやっていなかったという証拠だとしか思えません。

酷いねこりゃ。

小さい企業や個人事業主のもとで働いている人からすると、経営者の怠慢で自分が厚生年金に入れないとしたら大きな問題ですよね。厚生労働省の職員には、もう少し頑張ってもらいたいものです。


  1. 厚生年金、悪質加入逃れの基準策定…告発も視野
    読売新聞 2016年1月19日 []
  2. 社会保険の適用促進対策について(平成29年3月29日)厚生労働省年金局事業管理課 []

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