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マクロ経済スライドがはじめて適用へ| そもそもマクロ経済スライドって何だっけ?

現在の公的年金制度が破綻していると心配する人は、意外と多いのでは無いでしょうか。しかし、マクロ経済スライドという仕組みがあるので、破綻のリスクは小さいと考えていいでしょう。

ただ、破綻はありませんが、給付の水準が今よりも減ることは避けられないでしょうけどね。それでも、破綻すると煽るのは、ちょっと大げさすぎます。

ところで、マクロ経済スライドというのは、どんな制度なのでしょうか。概略だけでも確認しておきましょう。

マクロ経済スライドが適用へ

2015年4月から公的年金にマクロ経済スライドがはじめて適用される見通しなのだそうです。これにより、1%程度の受給額の抑制が見込まれるのだとか。1

実際に決まれば、リベラル系のメディアが一斉に批判するのでしょうね。弱者いじめとか何とか言って。

とはいえ際限なく給付を増やすわけにはいきませんから、制度を維持していくには必要な措置なのですけどね。

マクロ経済スライドって何?

ところで、マクロ経済スライドって、いったい何なのでしょうか。公的年金制度はややこしい点が多いのですが、マクロ経済スライドもその一つです。

とりあえず、厚生労働省のサイトでは、マクロ経済スライドを次のように説明しています。

マクロ経済スライドによる調整期間の間は、賃金や物価による年金額の伸びから、「スライド調整率」を差し引いて、年金額を改定します。「スライド調整率」は、現役世代が減少していくことと平均余命が伸びていくことを考えて、「公的年金全体の被保険者の減少率の実績」と「平均余命の伸びを勘案した一定率(0.3%)」で計算されます。

なんだか、難しい説明でよくわかりませんね。これを一読しただけで理解できる人が、どの程度いるのでしょうか。

本当に、普通の国民に情報提供をする気があるのでしょうか。お役人の考えている事は、よくわかりません。

もうちょっと、易しい説明を試みることにしましょう。

公的年金は「実質的」に目減りしないように調整される

公的年金の給付というのは、物価や賃金の変動に応じて増減するという制度設計になっています。なぜそうするかというと、金額を一定のままだと、実質的な年金額が減ってしまうからです。

例えばある年に、消費者物価が年3%上昇したとしましょう。それに対して、年金の給付は1%しか上昇しなかったとします。

年金をもらっている側としては、消費者物価を常に意識しているわけではありません。ですから1%給付が増えたことを素直に喜ぶかもしれません。

しかし、物の値段が3%上がっているわけですから、実質的な給付の価値は2%減っていることになります。このようなことが続くと、知らず知らずのうちに年金の実質的な受給額が減っていくのです。

こういうことが無いように、通常は、物価の変動を考慮して年金の給付というのは決まっています。このときに、現役世代の給与も考慮されます。

これが一般的な考え方です。

物価が下がれば年金額もさがる…はず

ということは、物価が下がれば年金の給付もさがるわけです。

例えば、物価が1%下がったのに老齢年金の年金額が変わらなかったら、実質的に1%増えたことになってしまいます。これだと、制度維持は大変になりますよね。

とは言え、給付を引き下げるのは、意外と難しいことかもしれません。

民主党政権のときにデフレが続いたので、本来なら給付を引き下げないといけない状態になりました。しかし、時の政権は、給付の引き下げができなかったのです。

その後の自民党政権で、実質的な引き下げを行い、マスコミからずいぶんと批判をされていました。しかし問題だったのは、世論に媚びて引き下げができなかった民主党政権だと考えるほうが妥当でしょう。

とは言え、政治家は人気商売です。政権に力がないと、年金額を引き下げるとは言い出しづらいというところもあるのでしょうね。

少子高齢化で制度維持が難しい時の対処

このように、物価の増減に合わせて年金額を変動させるというのが、公的年金の基本コンセプトです。実質的に目減りをしないようにしないといけませんからね。

しかし、現在の年金額の水準を維持するのが、制度的に難しくなることもあります。この時には、年金額の実質的な削減をしないといけません。

そこで使われるのが、マクロ経済スライドという措置です。期間を決めて、物価や賃金から決まる年金額の上昇率を抑えます。制度が破綻しないようにするわけです。

公的年金制度というのは、基本的には、現役世代の保険料を高齢者の給付に充てる仕組みです。ということは、少子化や高齢化が進むと、給付の水準を維持するのが難しくなります。

少子化になると、現役世代が徐々に減っていきます。そうすると、年金の給付に回せる原資が減ってしまうわけですね。

あるいは、高齢化が進むと、年金を受け取る人が増えて行きます。ということは、全体としてみれば年金の給付が大きくなるのです。

こうなってしまうと、今の給付水準を維持するのは無理があります。そこで、こうった場合に、マクロ経済スライドを使って、制度の維持をするわけです。

つまり、現役世代の負担が大きくなりすぎないように、保険料のアップを限定的にします。また、年金をもらっている世代には、給付水準を下げ、少し泣いてもらうということをするわけです。

とういのが、マクロ経済スライドの大雑把な説明です。

もちろん、実際には、もっと細かいことがいろいろと決まっています。年金の給付が小さくなりすぎないような配慮があったり、物価が下がっている時にはマクロ経済スライドを行わないなどの措置もあります。

100年安心なのは当然

ちなみに自民党は、この仕組みがあるので、年金のシステムとしては100年安心という主張をしています。確かにこの仕組なら、システムとしての維持は可能でしょう。

入ってくるお金が減ったら、給付を減らせるわけですからね。出生率が減ろうが、高齢化が進もうが、制度の維持だけは出来ます。

ただ、この仕組みだと、給付がかなり小さくなる可能性もあります。年金システムとしては維持できても、高齢者の生活が維持できるかという別の問題があるのは事実です。

まあ、公的年金制度に関しては、新しい仕組みを考えるのも難しそうです。いろいろな改正案があるようですが、現行制度からの移行が難しいですし、現行制度以上に良いものとも思えません。

それに、関係者が膨大なので、利害調整も難しいですしね。例えば、昭和61に年金制度の大変革がありましたが、その影響は今でも残っています。30年以上建っているのに、未だに移行期間が終わっていないのです。

また、今後は給付が減ると言っても、マスコミの一部が煽るような酷いことにはならないでしょう。

ということで、今の制度をメンテナンスしながら使っていくの現実的な方法なのかもしれません。


  1. 年金額抑制、来年度から…全受給者が対象に(読売新聞)2014年12月27日 []

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