確定拠出年金の本質は、投資信託の積立と投資信託の売買です。
税制上有利な点があったり、管理手数料がかかるなどのシステム的な違いはあります。
でもやっていることは、普通の投資信託となんら変わりありません。
ということは、確定拠出年金を利用する時にも、投資信託を買う時と同じ注意を払わないといけません。
そんなチェックポイントの一つとして、今回は信託報酬を取り上げましょう。
信託報酬は、ある程度キャリアを積んだ投資家が、投資信託を買う時に絶対にチェックするポイントです。
実は、信託報酬にこだわるかどうかで、投資結果に大きな違いが生まれることもあります。
実際にどの程度の違いがあるのか、例をあげて計算してみましょう。
外国株に投資するファンド
比較のために、確定拠出年金の2つのファンドを選びます。
具体的には、世界の株式に投資する投資信託を2つ比較してみましょう。
一つはSBI 証券で購入できる「中央三井DC外国株式インデックスファンド」と言うファンドです。
もう一つは、「フィデリティ・グローバル・エクイティ・オープンA(限定為替ヘッジ)(確定拠出年金向け)」と言うファンドです。
外国株全体に投資できる投資信託は、野村でもSBI でも一つずつしかありません。
ほかの金融機関もチェックしてみましたが、大体同じような傾向のようです。
1本しかないところが多いようですね。
まあ、厳選された一本なら問題はないのですけどね。
長期投資をした場合の手数料総額は…
さて、それぞれの信託報酬はどうなっているでしょうか?
●SBI 証券のファンド:年0.84%
●野村證券のファンド:年率1.659%
(両方とも名前が長いので、「SBI 証券のファンド」「野村証券のファンド」とさせていただきました。)
さて、2つのファンドでは、およそ2倍の差があることがわかります。
この差がどの程度投資結果に影響を与えるのか、計算してみましょう。
計算を簡単にするために、次のような想定をして比較しましょう。
●当該ファンドを300万円購入
●20年間保有
●ファンドの価値(基準価額)は投資期間を通じて一定
ようするに、まったく増えもしないし、減りもしなかったという設定です。
この条件で計算すると、次のようになります。
●SBI 証券のファンド:50万4000円
●野村證券のファンド:99万5400円
1%前後の手数料でも、投資額がそれなりに大きくて長期だと、こんなに手数料がかかるのですね。
さて、2つを比べると、野村証券のほうがトータルで50万円近く高い事がわかります。
当たり前ですが、手数料の年率が2倍違うので、支払う手数料も約2倍違うわけです。
金融機関の取り分が増えると言うことは、私たちの取り分が減ると言うことです。
手数料の差が投資結果に大きく影響するのはご理解いただけるでしょう。
ちょっと補足
上の結果は若干公正さに欠けます。
なぜかと言うと、SBI 証券のファンドはインデックスファンドで、野村證券のファドはアクティブファンドだからです。
インデックスファンドと言うのは、日経平均などの株式指数に連動するファンドです。
機械的に運用されるので、運用にあまりコストがかかりません。
一方のアクティブファンドと言うのは、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門化が運用するファンドです。
株式指数を上回る成果を目指します。
なぜ、タイプの違う2つのファンドを比べたかと言うと、野村証券は外国株のインデックスファンドを扱っていないからです。
しかしながら、世界の株式に投資するファンドは、平均的な運用をする人なら取り入れる可能性が高いファンドです。
ですから、タイプが違うのを承知の上で、比較をしました。
要するに野村証券の確定拠出年金ファンド選定は、SBI に比べて利用者に優しくないのです。
さらに付け加えると、アクティブファンドはインデックスファンドよりも投資結果が悪い事が多いようです。
手数料の重さが負担になり、パフォーマンスで勝てないのです。
こういう点から考えても、外国株でインデックスファンドを扱わない野村證券の姿勢にはちょっと疑問を持ちます。
年金基金などの運用をみても、インデックスファンド中心でポートフォリオを作るのは常識なんですけどね。
このほかのファンドでもかなり差がある
さて、補足が長くなりました。
本題に戻りましょう。
今回は例として外国株式のファンドを取り上げました。
しかし、その他の同じ種類のファンド同士を比べても、やはり野村のほうが信託報酬が高いものを選んでいる傾向があるようです。
2つの金融機関を比べた場合、どちらを選ぶかは明らかです。
はっきり言って、野村を選ぶ理由はまったくありません。
こういう点からも、SBI 証券の利用価値は高いと言って良いでしょう。
別のページにも書きましたが、講座の手数料を考えてもやっぱりSBI 証券は優れていますし。
名前が有名だからと言うだけで野村證券などの大手を選ぶと、結果的には大損ですよ。
運用資金は保護されていますから、ドライに手数料や取り扱いファンドで選ぶべきです。
iDeCoでは金融機関選びが大事
iDeCo をはじめるには、運営管理機関を選ぶ必要があります。運営管理機関というのは、窓口となる金融機関の事ですね。
この運営管理機関選びが、実は、かなり大事です。というのも、金融機関によって月々の手数料がだいぶ違いますし、取り扱っている投資信託の種類も違うからです。
個人的にお勧めなのは、SBI証券です。SBI証券は月々の手数料が167円と最低ですし、運用に使える投資信託もかなり多いのです。
iDeCo に興味があれば、資料請求だけでも取り寄せてみたらいかがでしょう。まとまった情報が得られますよ。

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タグ: SBI証券, ポートフォリオ, 信託報酬, 外国株式, 手数料





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